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犬の気持ち

興味があって犬のレスキュー活動のお手伝いをしています。
お手伝いをしている団体から依頼があり、一般家庭から引き取る犬の搬送を手伝いました。
そのお宅からは、大型犬1頭、中型犬1頭と小型犬4頭を引き取る予定で、先月大型犬と中型犬を引き取り、私の車に乗せました。

犬にも意思が、ちゃんとある

昨日、残りの小型犬4頭のうち、2頭を引き取りに行ったのですが、そこで出会った「リリちゃん(仮名)」に「犬にも意思があるのね」、と改めて思わされ、切なくなる出来事がありました。
犬を手放す方のお宅は門があり、その門越しに飼い主さんとお話をします。
飼い主さんとお話をしながら、引き取る予定の4匹を庭に出してもらったところ、1匹が門越しに私の前に立ち「じいいいー」と見上げ、そのまま座りました。
その子がリリちゃんでした。

保護団体の方が飼い主さんと書類のやり取りをしている間も、リリちゃんは座ったまま私を見つめ続けていました。
結局この日は、リリちゃんともう1匹を引き取り、残りの2匹は後日と言う事で話が決まり、飼い主さんからリリちゃんを預かり車に乗せる前に軽く歩かせることにしました。
門の外に出たリリちゃんは、私を見上げながら私の車の前に歩いて行きました。この時、私はあまり深く考えず、リリちゃんに軽く合図してお散歩を続けました。
会ってから数分ですが、リリちゃんの「正統派お嬢様」的な雰囲気に私は長年仕えた執事のような気分になり、白いふわふわとした毛をなびかせながら軽やかにお散歩を楽しむ姿を微笑ましく見守っていました。

短いお散歩を終えて、角を曲がればリリちゃんの元自宅の門前に出るところに戻ってきた時、リリちゃんの足が止まりました。リリちゃんは前足を揃え精一杯の力で踏み込み、「ぴたり」と立ち止まっていました。

私はこの家には戻りたくない」と、はっきりと言っていました。

リリちゃんと他のオス3匹も前回大型犬と中型犬が私たちに連れて行かれたのを見ていたのですが、リリちゃん以外は事態を全く理解している様子がありませんでした。
リリちゃんだけは私たちの姿を見た時から、「あの人たちだわ、私もこの家から出たい。私を連れて行って」と私の前に座りアピールしていたのだと。お散歩に連れ出した時に真っ先に私の車に近づいたのも、「早く私をこれに乗せてちょうだい」と言っていたのだと、この時、わかりました。

リリちゃんは、大人しく車内のゲージに入り移動中も静かに過ごし、保護主さんのお宅に入る時も、まったく抵抗しませんでした。むしろ、「これから何が起きるのかしら?」と新たな環境を楽しんでいるような様子でした。
犬にも気持ちがある。そんな当たり前のことを改めて示してくれたリリちゃん。
きっと素敵な新しい飼い主さんを自分で決めると思います。

うちの犬は、うちに居て幸せなのか

家にも犬が3匹います。
ビーグル2匹と大型犬Mix1匹。
3匹とも可愛い愛犬ですが、ビーグル1匹がハイパー過ぎて、扱いに困っています。

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室内にいると誤飲がひどく(ちょっと目を離したら、テーブルに置いてあった子どものビーズを食べまくりカラフルなウンチが出てきたり、鉛筆を食べながら床に絵を描いていたり)、庭に出していると吠えまくりまるで命を狙われているかのように情緒不安定になる。
いろいろ悩んで訓練士さんについて、訓練士さんの指示の下チョーカーを使いクレートで生活させるようになり数か月が過ぎました。確かに大人しくしていられるようになったし、お散歩も言う事を聞くようになりました。でも、このままでいいのか、もっと触れ合う時間がなくていいのか。なんとなく、納得しきれずにいました。
昨日のリリちゃんを見ていて、「OT(家のビーグル)もいつの日かこの家は嫌だーと言いだすのではないか」と不安がよぎりました。

そして今朝、その不安が現実のものとなりました。

訓練中は横を歩いてお散歩していましたが、昨日は久しぶりにお散歩中に広場で収縮リードを使い自由にしました。しかし、“飼い主の心犬知らず”とはまさにこの事。OTは5ヶ月間の我慢が爆発したのか、何故なのか、あっちもこっちも匂いを嗅ぎまくり、明らかにパニック状態に陥っていました。
でも、リードを引っ張らない、“おりこうちゃん”ぶりも垣間見れました。
訓練前はお散歩中に広場で収縮リードを使ってボール投げをしたり、遊んでいた事もありますし、ドッグランで自由にしてもパニック状態になったことはなく、普通に走り回って楽しく過ごせるので、その乱心ぶりに正直驚きました。

そして、今朝のお散歩は5割くらい訓練前の状態に戻ったような状態でした。

とほほ、と思いながらお散歩を続けていたら、お散歩中にお会いするといつもOTをとても可愛がってくれてOTも大好きな方の声が遠くでしました。その途端、OTが「ぎゃおおおおおーん、はおおおおーん」と声を上げ始めたのです。ずっと吠えていたのではなく、決してリードを引っ張る事もなく、私の横を歩いていましたが、その人の気配が消えるまで何度か悲鳴のような吠え声で叫んでいました。

そのOTの叫びは、「(あっ、あの人だ!)助けてー、僕もうこの飼い主も家も嫌なのー。あなたが僕の飼い主なってー」と言っていたと思います。

OTは我が家では3匹目のビーグルですが、今までの子たちとは何かが違い、私にとって扱いが難しく、心が通じにくい子です。普通になでて寄り添いたいのですが、なでると興奮して噛み始めるし、ちょっと寄り添うと他の犬を威嚇し独占欲を丸出しにします。

本当はOTだけを可愛がってくれる家族に迎えられていたらよかったのかもしれません。
今まで関わった保護犬の中には「やんちゃすぎて手に負えなくなって放棄したんじゃないかな」と想像できる若い犬が何匹かいました。その犬たちは、その「やんちゃ」を理解してくれ、しつけもできる、素敵な飼い主さんと出会い、幸せをつかんでいました。

私はOTを手放すつもりはありませんが、第二の人生をやり直させてあげた方がOTのためになるのではないかと思う時はあります。今朝の叫び声を聞いて、犬がより幸せになる環境を探して譲渡するのは悪いことではないかもしれない。といつもより本気で思いもしました。でも、OTを我が家で幸せにしたい。

一気に変わる事はできないけれど、今のやり方では楽しくないから、ビーグルらしさを守る方向で訓練方針を見直します。クレート生活は酷です。もともとチョーカーもクレートも虐待と紙一重だという気持ちもあるし。
でも、あのわからず屋をどうしたものか。先は長い!

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